土地選びは「条件選び」の作業です
土地を探すうえでまず肝心なのが「なぜ家を建てるのか」という目的、そしてその意志をはっきりさせることです。家族の意識を合わせるだけでなく、仲介業者に土地を探してもらう場合でも条件がしっかり提示できることで、良い物件と出会える可能性が高まります。
「駅から近い」という条件があれば、繁華街も近い可能性があります。それに伴って騒音の心配が生まれます。「静かな場所」では、交通や買い物が不便かもしれません。その場所のメリット・デメリットを判断するうえでも〈予算〉〈エリア〉〈新築プラン〉まで、しっかり業者に提示できることが、一番重要なことです。
その中で絶対譲れない条件と多少は我慢できる条件を区別し、条件の優先順位を決めましょう。これがはっきりしていれば、スムーズに土地選びが進んでいきます。また、業者から希望エリアとは違うが条件にぴったり合う土地を、紹介してもらえる可能性も生まれます。
インターネットで「相場」「物件」を下調べ
具体的なイメージが固まったら、ちょっとインターネットを利用して、理想の場所の「土地の相場」を調べてみましょう。
相場は2種類、簡単に調べることができます。
公示価格
毎年1回、3月下旬頃に国土交通省から発表される土地の評価額です。【国土交通省 地価公示価格】で検索すれば、簡単に地域の土地の相場を見ることができます。
路線価
相続税や贈与税などの課税のために都市部の路線(道路)ごとに国税局長が決定した土地単価です。国税庁のホームページから調べることができます。路線価は、道路ごとに価格で出ているので、買いたい土地のエリアの中でも1本道路を挟んだだけで価格が変わるなど、道路ごとの微妙な地価の差がわかるのが特徴です。
路線価は1点注意が必要です、公示価格のおおむね80%が目安で、その差額を足すと相場になるケースが多いです。
土地の相場が分かれば、業者から法外な値段で交わされる心配がありません。またこの知識があるだけでこれを加えて業者へも真剣度が伝わり、確実に希望エリアの土地を探してもらえるでしょう。
さらにもうひとつ、実際の土地物件もインターネットで調べてみましょう。実は不動産業者も近年は、インターネット上のシステムで物件を調べて、お客さんに紹介しているケースが多々あります。たくさんの業者さんにお願いしても、情報の出どころが同じかもしれないという可能性があるのです。
そのシステム「レインズ」には一般の人はアクセスができません。そこでその流れを引いている民間サイトで調べましょう。〈不動産ジャパン〉〈at home〉〈スーモ〉〈HOME’S〉、下調べならこの4つだけで十分です。オリジナルで掲載している物件もありますが、ひとつの物件がかなりダブって紹介されているはずです。
「相場」「物件」のふたつをインターネットで調べることで、さらに土地購入のイメージが膨らむのは間違いありません。
土地選びのチェックポイント
希望に近い土地が見つかった際、チェックすべきポイントをいくつか挙げてみます。
全方位チェック
隣接する家の影響で日当りや風通しが悪い場合があります。土地に隣接する周囲の家、道路などもに注意します。隣接地とのトラブルに多い境界線も確認できればベターです。
周辺環境チェック
多少にぎやかでも、スーパーや学校、駅など利便性を重視するのか、スーパーが多少遠くても閑静な場所を重視するのか、そして長く住みやすい環境にある土地なのか見極める必要があります。当然、悪臭や騒音のする施設・工場が近隣にないかも確認しておきましょう。
交通チェック
駅に近いだけで選ぶのは危険です。安全に通勤・通学・買い物などができるかも頭にいれなければいけません。。特に子供がいる場合は、通学路の安全確認は大切です。
防災チェック
低地(谷地)などの軟弱地盤や過去に地盤沈下のあった土地ではないか、土地の形状を調べる必要があります。
それには、各自治体の防災マップをチェックするのがいいでしょう。インターネット上で見ることができます。台風、大雨、津波、高潮などが起こることによって被害が想定される地域の地図が出てきます。
法規制・特殊条件のチェック
都市計画法の「都市計画区域」かどうかは重大なポイントです。その中でも「市街化調整区域」は原則、一般の住宅が建てられませんので注意が必要。また「用途地域」という分類があり、家の建ぺい率や容積率、そして居住環境が用途地域ごとに違いが生まれます。
加えて建築物の敷地が幅4m以上の道路に少なくとも2m以上接していなければならないという「接道義務」もあり、満たしていない土地には、家を建てることができないので注意が必要です。